<視覚障がいを考える>
*目の不自由な方が礼拝に見えたら ~ H.K
1.まず確認すべきこと
1.1.どのような介助が必要なのか
全盲、弱視、視野障害、色覚障がい…等々、色々な場合があり、それぞれに必要な介助が異なるので、どのような介助が必要なのかを尋ねてみる。「どの程度見えているのですか?」ではなく、「どのようなお手伝いが必要ですか?」と尋ねるとよい。
1.2.介助者の位置を知らせておく
多くは隣に座ることになりますが、その際「隣にいること」を必ず言葉で知らせる。その際、自分の名前も必ず名乗る。肩を軽くたたいたり手を握ったりということも効果的だが、相手が異性の場合は避けた方が無難かもしれない?特に障がい者が女性で介助者が男性の場合、肩を軽くたたいたり手を取った方がよいかどうか、機会を得て確認するのがよい。
1.3.点字聖書,点字讃美歌の準備
点字聖書は分冊になっているので、その日の礼拝で読まれるテキストが収められている巻を用意しておく。点字が読める人がいる場合には,当日の聖書箇所にしおりを挟んでおくと親切。讃美歌についても当日用いるものにしおりを挟んでおくとよい。
2.礼拝において
2.1.必要以上話しかけない
耳が目の代わりをしている。礼拝中に関係のない人に目の前をうろうろされると礼拝への集中を妨げられるのと同じように、余計な言葉(情報)が突如割り込んでくるのは迷惑。礼拝前に必要な介助について確認しておき、それ以外のことは話さない。肩を軽くたたくなどの方法を合図として用いることもできるので(例えば献金籠が回ってきた場合など),あらかじめ取り決めておくとよい。
2.2.説教(牧師)
点字聖書はすぐに開けません。また全巻を礼拝中,手元に置けるわけではありません。当日のテキスト以外の聖書箇所を引用する場合、テキストの直近であっても全文をゆっくりと朗読すると喜ばれる(前の頁とか、上の段の右端とか言われても、点字聖書では頁も版組も違うので)。
3.愛餐会などの交わりにおいて
3.1.食卓の美しさを伝えるために
美しく盛りつけられた食事や,食卓に飾られた花などの美しさを伝える場合、色を伝えることば一般的ですが、視覚障がい者には色についての経験を持たない方がいます。例えば,赤であれば「情熱的」とか「温かそうな」、青であれば「涼しげな」とか「さわやかな」といった具合に別の表現で言い換えてみることで食卓の美しさや賑やかさを伝えられる場合があります。
4.視覚障がい者による奉仕の可能性
障がい者であっても,主と教会のためにお仕えしたいという思いを持っている人は少なくありません。例えば皆で掃除や後片づけをする場合、「あなたはそこで座っていてください」ではなく、一緒にできることがあればともに奉仕したいものです。交わりが深められて行くにつれて「一緒にできる奉仕」が何であるのか、見えてくるはずです。
またある教会では、クリスマス前夜の燭火礼拝で、点火前の聖書朗読を視覚障がい者が点字聖書を用いて行ったことばあるそうです。